地中のトウキョーオフィス 
-一人一人の居場所と交流のきっかけを作る生命感あるリノベーション-

東京、飯田橋界隈の地下2階にあるオフィスの改修計画。
既存のオフィス空間は、地下2階のため自然光が少なく、システム天井やOAフロアで構成された均質で白く明るい人工的な場所であった。クライアントからの特徴的な要望は、face to faceのコミュニケーションが促進される場所を設けたいとのことだった。地下階特有の個性を高め、場所性を取り戻すことを試みた。
そこで、落ち着きと活発さが共存する生命的な静と動が共存する「動き出しそうな空間」を目指した。
「貼る、建てる、設置する、剥がす、塗る」のような人が建築を作る言葉で計画するのではなく、「羽ばたく、生える、転がす、這う、崩れる」のように地中に潜む動植物の行動や成長、風化になぞらえて計画するとともに、風化した木材や家具、さまざまな年代の素材を取り入れ、地中性を空間に浸透させることを考えた。
生命の気配がする地下空間の中、地中が生命を育んできたように、働く人々の創造性やコミュニケーションが動き出し、活性化する場を目指した。

クライアント:株式会社HERO innovation
場所:東京都
用途:オフィス(内装改修)
延床面積:1012㎡
照明設計:杉尾篤照明設計事務所
施工:株式会社エス・ツー
Photo:yasuhiro takagi